日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

サトー先生の「きょういく日めくり」~きょうも楽しく学校へ行くために~【第14回】

NEWS

論説・コラム

「教育」の悩みは「教育」で引き取る

「あ~また月曜が始まる……」
 日曜日の夕方、サザエさんがお魚くわえた猫を追っかける時間になると、翌日からの1週間がアタマにちらつき、ため息が出る。「サザエさん症候群」の語はいまやWikipediaにも載るぐらい。「休日はまったく仕事を忘れられる」というツワモノ以外は、「休日も後半になると(場合によっては休日の間もずっと)なぜかウツウツ」、経験あるよね。

 長年の試行錯誤の末、ボクがたどり着いた結論は、いたってシンプルです。
 休日に趣味や家庭を思いっきり充実させるためには、「学校外の生活を楽しむ心」とともに、「正面から仕事の悩みに向き合う」ことが必須なのだ。それも1人で悩むんじゃなく人に話すなかで、「解決!」とまではいかなくとも、「なんとかなるかも?」と思える程度にまで持っていくしかない。

 ぼくの場合は、「高生研(こうせいけん=高校生活指導研究協議会)」などの民間教育研究団体で学んだり、生徒とわいわいやるのが好きな仲間たちと「おまかせHR(ホームルーム)研究会」なる自主サークルつくって学校での実践(というより愚痴やぼやき、かな)を出し合ったりしてきた。そこでは「肉」「酒」「温泉」が必須で、“非日常”もしっかり楽しみつつ、「教育」に向き合うことで、週明けが、すっごくラクになった。

 なあんだ、みんな同じように悩みながらやってるんや―。
 「サザエさん~」に特効薬なんてない。同好仲間との前向きな語り合いこそ、あとからじわじわ効いてくる、すぐれた滋養強壮薬だと思う。
 
 
佐藤功(さとう・いさお。大阪大学人間科学研究科元教授)
大阪府立高校教員として33年。酒と温泉と生徒ワイワイ……「生涯現場の一担任」のはずが、生徒や保護者とのわちゃわちゃ大好きを見込まれ、気がついたら大阪大学教職担当初代教授(人間科学研究科所属)。教職志望の学生たちと地域活動やら探究活動やら、日本全国を駆けまわり、現職は「一般社団法人NEOのむら」理事。最近、「国内旅行業務主任」の資格も取ったらしい。著書に『教室の裏ワザ100連発』『気がついたらボランティア』(学事出版)『はじめてつくる「探究」の授業(編著)』(大阪大学出版会)など。「おまかせHR研究会」主宰。

サトー先生の「きょういく日めくり」