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サトー先生の「きょういく日めくり」~きょうも楽しく学校へ行くために~【第12回】

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論説・コラム

転勤は最高の研修

 知ってた?
 沖縄の高校では、体育祭や文化祭は3年間に1回ずつしかないんだって。
 文化祭の年、体育祭の年、では残りの1年はどんな年?
 「球技大会」「合唱祭」……いえいえ、正解は「何もない年」。つまんないな。

「それだと、先輩のカッコいい姿にあこがれて後輩たちが翌年がんばるという「継続性」がないんじゃないの?」
 いぶかるボクに、沖縄・やんばる在住のO先生は、
「確かに。でも、それが沖縄では常識なんです」。
 そんな「沖縄常識」を打ち破るため、O先生たちががんばって文化祭の毎年開催を主張しているから、いまでは毎年開催の学校も増えたかもしれない。でも、要は「ところ変われば常識変わる」ということなんだな。

 学校というところは、特段に問題がなければ「前例どおり」で物事が進む。現場の多忙が叫ばれる最近はなおさらだ。
 だからこそ、「ところ変われば常識変わる」を逆手にとり、転勤して否応なく新環境に身を置くことで、柔軟な発想と対応力を学びたい。

「研修嫌いのぼくだから、あえて転勤して“勉強”するんだ。シャアナシ(仕方なし)やで」
 離任式のあいさつで「最高の研修」を語るA先生の顔はすっきり晴れやか。
 新天地でもがんばってください。
 
 
佐藤功(さとう・いさお。大阪大学人間科学研究科元教授)
大阪府立高校教員として33年。酒と温泉と生徒ワイワイ……「生涯現場の一担任」のはずが、生徒や保護者とのわちゃわちゃ大好きを見込まれ、気がついたら大阪大学教職担当初代教授(人間科学研究科所属)。教職志望の学生たちと地域活動やら探究活動やら、日本全国を駆けまわり、現職は「一般社団法人NEOのむら」理事。最近、「国内旅行業務主任」の資格も取ったらしい。著書に『教室の裏ワザ100連発』『気がついたらボランティア』(学事出版)『はじめてつくる「探究」の授業(編著)』(大阪大学出版会)など。「おまかせHR研究会」主宰。

サトー先生の「きょういく日めくり」