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サトー先生の「きょういく日めくり」~きょうも楽しく学校へ行くために~【第7回】

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論説・コラム

外に別の舞台をもつ

 かつて地元の農家さんとタッグを組み、特産品である「河内れんこん」を掘って食べたり復活レシピを試したりした。校外活動は、何がどう育つかわからないのが醍醐昧で、芸人さんやアイドルがやってきたり「探偵ナイトスクープ」に出させてもらったり。高校生とともにボクの世界も広がった。

 いっぽうで、そこで生まれ育った高校生たちが、ぼくと地域の人たちをつないでくれた。広報誌やメールで「外部人材おられませんか」と呼びかけても反応は薄いが、一緒に飲み、食べ、歌う席での「今度学校で生徒たちに語ってもらえませんか」「助けてもらえませんか」のお願いには、「しゃあない(仕方ない)なあ」とひと肌脱いでくださる人たちがいっぱいいた。PTA役員御用達の居酒屋のマスターは、いつしかボクが顧問する柔道部の「外部コーチ」と呼ばれ、昼間も顔を合わすようになった。

「何しろ校内の雑務いっぱいで、外部での活動なんてとてもとても……」の嘆きを、最近よくきく。しかし、経験上、確実に言えることは、「学校べったり」にならず、「外に別の舞台をもつ」スタイルのほうが一たとえ時間的には忙しくなったとしても一ストレスは解消する。

 「外の舞台」は、何でもいい。趣昧でもいいし、密やかな習いごとの仲間でもいい。学生時代の同窓会メンバーで定期的に会うのもいいし、教育研究サークルに属するのもいい。それらが期せずして、「仕事」に返ってきたときは快感だ。アンテナは常に鋭く高く張る。そんなこんなで、教員の「幅」や「懐」って、広く深くなっていくものだと実感。

佐藤功(さとう・いさお)
大阪府立高校教員として33年。酒と温泉と生徒ワイワイ……「生涯現場の一担任」のはずが、生徒や保護者とのわちゃわちゃ大好きを見込まれ、気がついたら大阪大学教職担当初代教授(人間科学研究科所属)。教職志望の学生たちと地域活動やら探究活動やら、日本全国を駆けまわり、現職は「一般社団法人NEOのむら」理事。最近、「国内旅行業務主任」の資格も取ったらしい。著書に『教室の裏ワザ100連発』『気がついたらボランティア』(学事出版)『はじめてつくる「探究」の授業(編著)』(大阪大学出版会)など。「おまかせHR研究会」主宰。

サトー先生の「きょういく日めくり」