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サトー先生の「きょういく日めくり」~きょうも楽しく学校へいくために~【第1回】

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論説・コラム

わからんときは子どもに聞け

「なんでうちのクラスだけこんなにキタナイねん!」
 教室のあちこちに、丸められたポイ捨ての紙いっぱい。
 ゴミ箱あふれ、周辺のそこかしこにゴミ、ゴミ、ゴミ。見かねた担任、教室じゅうに「ポイ捨て禁止」の張り紙をめぐらし、学級通信で連日「教室環境向上」を訴えるがなんら改善せず。

 もうやめた。
「どうしたらエエねん、みんな教えてえや」
 「進路希望調査アンケート」の裏にアイディアを1つずつ書いてもらうよう生徒たちにヘルプを出したところ、「それはないやろ」というような、好き勝手な案がいっぱい出てきた。
 でも、それに混じって「名案!」もいくつか。

「小さいゴミ箱1つだからあふれるねン。教室4隅に大型ゴミ箱設置」
「みなの机ごとに小さなゴミ箱つくって、そこに入ったごみを当番が回収」
「ゴミ箱コンテストをやろう。素敵なゴミ箱をつくって最優秀には豪華景品!」

 何よりの副産物は、「教室をきれいにするには?」を生徒皆で考えようと意識したからか、心なしか教室全体が前よりきれいになったこと。

 「人権」「消費者」「ICT」「法」「キャリア」「主権者」「防災」……「○○教育」と称するものが、一気に学校にやってきた。
 多忙極致のこの時代に、あれもこれも担任1人でやろうなんてことが無理なんだ。

 ヘルプを出す一番の相手は、やっぱり目の前の子どもたちだね。
 
 
佐藤功(さとう・いさお)
大阪府立高校教員として33年。酒と温泉と生徒ワイワイ……「生涯現場の一担任」のはずが、生徒や保護者とのわちゃわちゃ大好きを見込まれ、気がついたら大阪大学教職担当初代教授(人間科学研究科所属)。教職志望の学生たちと地域活動やら探究活動やら、日本全国を駆けまわり、現職は「一般社団法人NEOのむら」理事。最近、「国内旅行業務主任」の資格も取ったらしい。著書に『教室の裏ワザ100連発』『気がついたらボランティア』(学事出版)『はじめてつくる「探究」の授業(編著)』(大阪大学出版会)など。「おまかせHR研究会」主宰。

サトー先生の「きょういく日めくり」