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令和6年通常国会質疑から【第3回】

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行財政

 国会では、法案審議の他に、議員の提示した課題に対して政府が見解を明らかにする質疑が行われている。今年6月23日に閉会した通常国会のうち、教育関係の一般質疑の模様を紹介していく。3月22日の参議院文教科学委員会では、政府が進めようとしているアントレプレナーシップ教育と小学校の関係などに関する質疑があった。

アントレプレナーシップ教育とは

 古賀千景議員(立憲) 所信の中にありましたアントレプレナーシップ教育についてお伺いします。アントレプレナーシップ教育とは、どのような教育でしょうか。お願いします。

イノベーション人材の育成目指す

 文科省科学技術・学術政策局長 大臣が所信で述べられましたアントレプレナーシップ教育は、大学等の研究成果の社会実装に向けて、スタートアップの創出力強化のための施策などとも連携しつつ取り組むものでございます。
 文部科学省といたしましては、アントレプレナーシップを、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神と捉えまして、その涵養に資する教育といたしまして、例えばアントレプレナーシップの醸成、例えばその動機付けあるいは意識の醸成の段階といたしまして、課題の発見力や共感力を育むといったことでありますとか、課題解決のために必要な汎用知識やスキルの提供をすると。さらに、社会実装をしていく段階において必要となる知識といたしまして、例えばスタートアップでありますとか地域特有の課題解決など、実際に社会実装に向けた事業を進めていくに当たって必要な専門知識や実践の場を提供する。こういったことを通じて、課題の解決でありますとか、さらにはイノベーションの創出を担い行く人材の育成を目指すというものでございます。

小学校でどんな授業を

 古賀千景議員 小学校にもそれが入ってきているんですけれども、じゃ、具体的に小学校でどんな授業をするんですか。

大学の知見や教育研究力を活用

 文科省科学技術・学術政策局長 このアントレプレナーシップ教育につきましては、これまでも大学あるいは大学院の段階におきまして、起業家教育、アントレプレナーシップ教育というものが進められてきたという実績がございます。
 その上で、二〇二二年に政府として決定いたしましたスタートアップ育成五か年計画というのがございますけれども、その計画の中で、大学で行われてきたアントレプレナーシップ教育、これを小中高生にも拡大していくということが定められております。これを受けまして、文部科学省におきましては、令和四年度の第二次補正予算を活用してアントレプレナーシップ教育の小中高生等への展開を進めているところでございます。
 具体的には、全国八か所にスタートアップエコシステムの拠点都市がございますけれども、そこに所在する大学が中心となりまして、これまで大学において実施されてきたアントレプレナーシップ教育の知見や教育研究力を活用して、小中高生等を対象としたプログラムを学校の内外を問わず実施するというものでございます。
 学校の授業時間を活用した取組の事例といたしましては、例えば、起業家の方を招いての講演会でありますとか、あるいは地域が抱える社会課題解決のためのビジネスプランの作成であるとかその発表、そういったことを総合的な探求の時間を活用して行うプログラムなどが実施をされておりますけれども、このような事例に限らず、大学と学校の創意工夫の中で多様な取組が行われるということを想定しております。
 今後とも、起業家等の外部人材の学校現場への派遣の拡大でありますとか、学校の授業を活用した好事例の収集、普及といった広報活動にも努めてまいりたいと考えております。

「何とか教育」、入れるなら減らせ

 古賀千景議員 どんな授業をするのか、すみません、小学校では、いまいちよく分からなかったんですけれども。
 学校って何とか教育、何とか教育、何とか教育ってどんどん入ってくるんですよ。それで、前、水岡議員が言われましたが、三十幾つ何とか教育があります。でも、それを減らすことはないんです。だから、ずうっと上から落ちてくるだけで、山のように何とか教育、何とか教育、良さそうなものを、何か名前だけ、何だろうこれみたいなのもいっぱい入ってきて、入れるなら減らしてください、これはしなくていいとか。そうしないと、もうあっぷあっぷです。
 これするために、簡単に思われるかもしれないけど、まず、これはどんなもんだろうか、じゃ、授業ではどうすればいいか、じゃ、どの教科でやっていくか、何時間使うか、そしてゲストティーチャーはどうするか、すごい学校は考えるんです。そんなふうにして何とか教育というのを学校はやっていますので、入れるなら是非減らしていってほしいと思いますし、アントレプレナーシップ教育、どのようなのかなと楽しみにしております。

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