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令和6年通常国会質疑から【第2回】

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行財政

 国会では、法案審議の他に、議員の提示した課題に対して政府が見解を明らかにする質疑が行われている。今年6月23日に閉会した通常国会のうち、教育関係の一般質疑の模様を紹介していく。3月22日の参議院文教科学委員会では、高校無償化の全国展開に関する質疑があった。

全国で高校授業料無償化、必要性は

 金子道仁議員(維新) 就学支援金は今拡充をされています。ただ、授業料の無償化というところまでは、あれですね、世帯区分等を外して全て無償化というところにはまだ至っていないわけです。
 その残りの部分は各自治体の独自の取組によって無償化というものが先行して実施されている。大阪府では完全無償化という形で高校の授業料の無償化。また、東京都では実質無償化という形で授業料の所得制限ない無償化というものがなされた。さらには富山県でも、奈良県でも、次々とそのような自治体ごとの先行事例が行われているわけです。そうすると、それをしていない自治体に住んでおられる方々からすると、非常に地域間格差が広がってきている。まあ平たく言えば、財政にゆとりのある都市部では高校の授業料は無償化だと、地方ではいつまでたっても無償化が進まない。これでは地域間格差が広がってしまって、ますます都市部に人口が集中してしまう。教育を行うのは、子育てを行うのは都市でやることだ、そんなメッセージになったら大変なことだと私は思っています。
 この高等学校の授業料の無償化を国全体で実施する必要性について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

自治体からの上乗せが望ましい

 盛山正仁文科相 国における高校生等への修学の支援は、限られた財源を有効活用するという観点から、それまでにありました、平成二十六年にそれまでのそのやり方を、所得制限を設けることで財源を捻出しまして、それによりまして低所得世帯への支援を手厚くする、拡充するなど、より教育の機会均等に資するよう、支援の充実を図ってきたというところでございます。
 他方、地域によりまして、私立学校の授業料の平均額や私立高校に進学する生徒の数、その割合が大きく異なることから、地域の実情を踏まえて、国の支援に上乗せをして、地方自治体の独自支援が行われているところでございます。
 文部科学省としては、教育の機会均等を図るために基盤として行う国の支援と、そして、それに上乗せをして取り組まれる地方自治体の独自支援が一体となって教育負担の軽減が図られることが望ましいというふうに考えているところです。

令和6年通常国会質疑から