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ライフコーチの視点から 現代を生きる子ども・若者のリアル【第17回】

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論説・コラム

人を嫌にさせちゃった時がある

 先日、愛知県の小学校4年生~6年生までの約450名の子どもたちに「自分も人も大切にするコミュニケーション」について出張授業を行ってきた。
 前回の記事では、小学校6年生の声をお届けしたが、今日は小学5年生からいただいた声を紹介したい。

 ―昨日は、5時間目に、自分と人を大切にするコミュニケーションについて学びました。人にたいして言い方がきついので、これからは人に対して強い言い方を言わないようにしたいです。人の気持ちを考えられるようにしたいです。三橋先生が話した時、人に悪いことをやっちゃって、人を嫌にさせちゃった時があることが、思い浮かんできました。これからは人にやさしくできるようにしたいです。三橋先生が教えてくれたことを活かしてやっていきたいです。自分はやっていないと思っても、人がやったって言ったら人が正しいとも思えるようにしたいです。(小学5年生)

 ―私はいつも明るい感じです。もし辛いことがあったら、三橋さんに相談したいなと思いました。自分たちには、いろいろな今の気持ちがあることが、もっとわかりました。大人になったら、私も三橋さんみたいなお仕事をしてみたいなと思いました。これからもしも、友達が悩んでいたりしたら、相談して悩みを解決してあげたいなと思いました。たくさんの人が協力してくれたら、平和になるんだなと感じました。(小学5年生)

 ―どうせ無理だし、やってもできない。などの言葉は考えないようにして、絶対できる!と思ってチャレンジしようと思いました。きつく言いすぎてしまったり、反対する意見から話してしまう時があるので、それもいいね!私のこれはどう?と聞くようにして、話しができたらうれしいのでがんばって意識したいなと思いました。(小学5年生)

 ―自分だけいいなら、他の人はどうでもいいやじゃなくて、自分と他の人がいいということが大切ということがわかりました。勇気の水をこぼさずに、勇気の水をためていきたいと思いました。人はどんな感情も必要なことがわかりました。自分も大切にしていくことも大切ということがわかり、これから少しでも自分を大切にしていこうと思いました。三橋さんの話を聞いて、人を信じたり、人の役に立ったりしたいと思いました。他の人にも勇気の水をわけてあげたいと思いました。この話をもとに、自分も変わっていきたいなと思いました。自分を信じたりすることも大切なんだと思いました。この話を聞いて、がんばろうという自信が持てました。(小学5年生)

 ―相手の勇気の水をためるために、助けてあげたり、困っていることがあったら背中を押してあげたいです。仲が良い友達でも、悪口やいじめをしていたら止めたいです。自分の勇気の水が少なければ、家族や友達に勇気の水はあげられないというのがわかりました。自分も信じられて、相手にも信じられる人になりたいです。相手の好きなものをすぐに否定せず、yes andを使って相手の好きなものを否定せず、自分の好きなものも紹介したいです。たくさんの人とコミュニケーションをとっていろいろな方法で仲良くしたいです(小学5年生)

 ―自分は傷つかなくても、相手は傷ついたり、人によって傷つくことは違うと思いました。なので、相手が傷つくかどうかを考えずに発言したいことを言っちゃっていたので、これからは気をつけようと思いました。授業での先生たちのやりとりを見て、言い方には気をつけようと思いました。自分の好きなものをほめるだけではなく、相手にも共感したり、ほめたりした方がいいなと思いました。あと、人には怒ったり、泣いたり、てれたり、ドキドキしたり、嬉しかったり、落ち込んでいたり、疲れていたりのうさぎの絵が描かれていて、こんなに感情があるんだなと思いました。どれも大切と思いました。(小学5年生)

 授業を通して、普段の自分のコミュニケーションを振り返るきっかけになったと多くの子どもたちが教えてくれた。
 振り返ってみると、今までの自分の伝え方は、相手にとってはどうだったのだろう?
 きつかったかな、強かったかな、否定していたのかも。だとしたら、どう変えたらいいかな。などと、自分で考えている様子も伝わってくる。

 気づけば、変えることができるから。

 自分だけでもなく、相手だけでもなく、両方を大切にすることができることを知ってもらえたら、この先のコミュニケーションは変わるかもしれない。

中高生の心を開く専門家/ライフコーチ三橋亜希子
各地の小・中学校、高校、幼稚園などで児童・生徒向け、教職員向けの講演を続ける。幼少期に父親から虐待を受け、学校では、いじめの標的になった経験を持つ。成人後も、自分の思うような生き方ができなかったが、東日本大震災をきっかけにコーチングを学び、独立。3兄弟の母。ホームページ(https://mitsuhashiakiko.com/)に情報多数。

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