全国SLA通信 新しい教育を拓く学校図書館【第8回】
7面記事研修会に参加しよう
積極的に、研修を!
1.研修の必要性と重要性
変化の激しい現代社会にあっては、学校教育を取り巻く状況も刻々と変わり続けています。このことは、学校教育の基盤である学校図書館にあっても同様です。積極的に研修に参加して、自らの知識やスキルの更新を図っていくことが必要です。
2.研修の種類と内容
(1) 自治体による研修
公立学校の場合、司書教諭や学校司書を対象とした研修として、勤務校を設置する自治体(教育委員会)が主催して実施するものがあります。実施の頻度は月1回から年1回まで自治体によって開きがあります。また、実施形態も、司書教諭と学校司書合同の研修もあれば、司書教諭と学校司書が別々に受ける研修もあります。以前は講義型の研修が主流でしたが、近年はグループワークなどを取り入れた演習型の研修も多くなってきています。
ただし、自治体によっては、司書教諭や学校司書を対象とした研修をまったく行っていないところもあります。こうした自治体に勤務する司書教諭や学校司書は、校長(学校図書館長)を通して教育委員会に研修の実施を要望してもらうことも大切です。また、自治体の研修がないからといってあきらめるのではなく、次に紹介する全国学校図書館協議会(以下、全国SLA)などの民間団体が実施する研修に積極的に参加するようにしましょう。このことは、自治体の研修がある場合も、私立学校に勤務している場合も同様です。
(2) 全国SLAなど民間団体による研修
全国SLAでは、さまざまな研修の機会を全国の司書教諭や学校司書に対して提供しています。オンラインでの実施もあり、全国から受講しやすくなっています。詳しい情報は全国SLAのウェブサイトをチェックしてみましょう。
また、各地のSLAでも研修を実施しています。例えば、北海道SLAでは、毎年1月に「北海道学校図書館研修講座」を実施し、50年以上続く伝統行事となっています。
このほか、学校図書館問題研究会、日本学校図書館学会、日本子どもの本研究会など、学校図書館に関わる各団体が、さまざまな研修の機会を用意しています。これらの研修の機会をうまく生かしていきましょう。
3.研修から研究へ
研修は新たな知識やスキルを得たり向上したりするためのインプットということができます。しかし、インプットだけにとどまっていては、司書教諭や学校司書としての専門性を高めるのに十分なわけではありません。自らの実践内容などをもとにした研究とその発表、すなわちアウトプットにも意識的に取り組んでいきましょう。(専修大学教授・野口武悟)
2023年度 地区学校図書館研究大会
※本稿の記事は「学校図書館」「学校図書館速報版」に掲載したものが含まれます。