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ライフコーチの視点から 現代を生きる子ども・若者のリアル【第6回】

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論説・コラム

もう少し生きてみようと思えました

 「もう少し生きてみようと思えた」そんな言葉が書いてあった、講演後の一人の高校生の声を紹介します。

<今日の講演で気づいたこと、感じたこと>
 自分にはやりたいこと、やってみたいことが沢山あるので、これから少しずつやってみたいと思います。私はネガティブ思考になりやすく、自分に自信が持てなくなってしまうことが多いのですが、今日の講演を聞いて、自分は「できない」「分からない」「時間がない」
 「やる気が出ない」など「ない」ばかり探していることに気がつきました。

 なので、これからは「ない」を探すのではなく「ある」や「できる」を探せるようにしていきたいです。

<みつはしへ伝えたいこと>
 もう少し生きてみようと思えました。ありがとうございます。

 生徒さんの声は、ここまで。
 これを読んで、何を感じただろうか?

 最後に、伝えてくれたこと。その一言の意味。
「もう少し、生きてみようと思えた」
 実はこの言葉、初めて言われたわけではない。

「死にたいと思った」
 そんな言葉を聞いたのも、一度や二度ではない。

 なんて答えていいかわからない。そんなリアルな声もたくさんあり、
 ここには書けないようなことを、教えてくれた生徒さんもいる。

 これまでにコーチング、コミュニケーション、いろいろ学んできて、経験も増えてきた。
 それでも、正直わからないことだらけだ。正解不正解はないと言いつつも、目の前のひとりの人になんと声をかけることが正解なのかと、考えてしまうこともある。

 頑張れない時に「頑張れ」って言われるのもしんどい。
 もう無理だよって思っている時に「大丈夫」なんて気軽に言われたくない。
 きっと、そんなこともあるだろう。
 もう生きているのがしんどいよって思っている時に「生きて」っていうのは、酷なのかもしれない。
 でも…それでも…こう願わずにはいられない。

「あなたに、生きていてほしい」
 生まれてきてくれて、ありがとうと伝えたいし、出逢ってくれて、ありがとうと伝えたいし、
 生まれてきてよかったと思ってもらいたい。

 だからこそ、講演後に「もう少し生きてみようと思った」そう言われた時には、ただただ心からよかったと思う。そして、今後彼らが「生きていてよかった!」そう思える社会を一緒につくっていきたい。いや、つくっていこう。

中高生の心を開く専門家/ライフコーチみつはしあきこ
幼少期に父親から虐待を受け、学校では、いじめの標的になった経験を持つ。成人後も、自分の思うような生き方ができなかったが、東日本大震災をきっかけにコーチングを学び、独立。3兄弟の母。ホームページ(https://mitsuhashiakiko.com/)に情報多数。

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