令和4年 臨時国会質疑から【第3回】
NEWS今月閉会した臨時国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。10月27日の参議院文教科学委員会では、公立学校教職員には超過勤務手当を支給しないと規定している給特法に関し、私立学校と同様の扱いにできるのではないかとの質問に対して、政府側は、明快な答弁を避けた。
給特法の廃止、見直しへの考えは
古賀千景議員 大臣の所信の御挨拶で、教師の処遇を定めた給特法などの法制的な枠組みを検討してまいりたいとおっしゃいました。お尋ねします。学校の働き方改革を進めるには、給特法の廃止、また、抜本的な見直しを行い、労基法に一本化する必要があると考えますが、大臣の見解を教えてください。
調査結果踏まえ検討
永岡桂子文科相 古賀先生には、本当に三十年という長い間、学校の教師という要職に就いていらっしゃって、そして教育の現場、しっかり見てきたと、その上での御質問、大変重く感じているところでございます。
教師の職務というのは、本当に自発性そして創造性に基づく勤務に期待するところが大変大きいわけで、どこまでが勤務であるかの区切りがしにくいという特殊性を踏まえまして現在の給特法の仕組みが形作られているということでございます。同時に、教師の勤務実態の正確な把握も大変重要であると、そう認識をしているところです。
このため、文部科学省といたしましては、令和元年の給特法改正を踏まえ、勤務時間の上限等などを定める指針を策定いたしまして、各教育委員会に対しまして、一か月の時間外の在校等時間につきまして四十五時間以内を上限とすることや、在校等の時間を客観的に把握をして、当該時間に基づき業務削減等の積極的な取組を行うことなどを求めてきたところでございます。
また、学校における働き方改革の様々な取組と成果などを踏まえながら、本年度実施の勤務実態調査におきまして教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況をきめ細かく把握をする予定でございます。その結果を踏まえまして、教師の処遇を定めた給特法等の法制的な枠組みを含め検討するということにしているところでございます。
私学と同様、労基法適用できるのでは
古賀千景議員 勤務実態調査が、先ほども申しましたとおり、虚偽報告などがたくさん出ているということは十分知っていただきたいと思っております。
そして、前半部分で言われました教員の勤務の特殊性というところだと思います。しかし、実際、大学の附属学校や私立学校では労基法が用いられているところがあります。公立学校も労基法適用が可能だと思いますが、そこはどのようにお考えでしょうか。
公立校は地域の課題踏まえ運営
文科省初等中等教育局長 これは給特法という法律の枠組みそのものに関わることでございますけれども、やはり公立学校というのはその地域の中に存在しておって、その地域の様々な課題、これを踏まえて公立学校が運営されているものだと考えております。そうした点も含めて、この給特法の在り方を今後しっかり検討していきたいというふうに考えているところでございます。