令和4年 通常国会質疑から【第7回】
NEWS6月に閉会した通常国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。5月10日の参議院文教科学委員会では、新法の制定を受け、教員による児童・生徒への性暴力を抑止するための研修をどのように整備するかについて質疑があった。
教員研修をどう進めるか
上野通子議員 昨年五月、議員立法である教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律、いわゆる教職員版のDBSが衆参全会一致で可決しました。そして、本年四月に施行されたところです。
教師による児童生徒への性暴力の根絶のためには、あらゆる角度からの対策が必要です。そして、児童生徒への性暴力等を行ってはならないことはもとよりですが、学校において性暴力等が疑われる場合にどのように対処すべきなのかなど取り扱うことが重要であると考えております。
そこで、今後、教師に対して児童生徒への性暴力等に関する研修を充実していくこと、これをどのようにしていくのか、この点について文科省の見解を伺います。
啓発動画作成し周知
文科省総合教育政策局長 子供を守り育てる立場にある教員が子供に性暴力等を行うことは断じてあってはならないことであり、教育職員等による児童生徒への性暴力等を根絶するため、あらゆる角度から実効的な対策を講じていく必要があると考えております。
文部科学省においては、これまでも、各教育委員会に対して、児童生徒性暴力等の防止等に関する服務規律の徹底を図るとともに、効果的な研修の継続的な実施を求めてきたところでございます。
本年四月に教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が施行されたことを踏まえ、今後、更なる研修の充実を図るため、文部科学省において、児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための啓発動画を作成し周知を図ることや、各都道府県・市町村教育委員会における児童生徒性暴力等の防止等に関する研修の取組状況を調査し、好事例を周知することなどに取り組んでまいります。
文部科学省においては、引き続き、児童生徒等を教育職員等による性暴力等の犠牲者とさせないという断固たる決意で、性暴力等を行う教員の根絶に向けた取組の実施に全力を尽くしてまいりたいと存じます。