教育現場におけるSNSのマナーとリスクマネジメント【第2回】
NEWS夏休みこそ気を付けたい「SNSでの出会いがきっかけのトラブル」
待ちに待った夏休みが始まりましたが、開放的になった子どもたちがSNSの利用をきっかけに犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。今回は、特に夏休みに気を付けたい「SNSでの出会いがきっかけのトラブル」の事例と予防策を解説します。
〈事例1〉
SNSで意気投合した同い年のA子と会話が盛り上がり、「誰にも話していなかった秘密」や「友人の悪口」を話す仲になりました。本名や学校名も交換し、「自撮り写真を交換しよう」と持ち掛けられて送ったら、A子の態度が一変。「秘密や悪口をばらされたくなかったら裸の写真を送れ」と脅されてしまいました。
〈事例2〉
SNSで悩みを投稿していたら、親身になってくれる大学生Bと知り合い、DMで会話するように。写真も交換し「自分のことをわかってくれるすてきな人だ」と好きになりました。会おうと誘われ待ち合わせ場所に行くと、車に乗った見知らぬ中年男性に「Bの父です。Bが途中で事故に遭い病院に搬送されました。Bが待っているので来てください」と言われ、車に乗ってしまいました。
「SNSで知り合った相手との付き合い方」での注意事項
知らない相手とも気軽に会話できて楽しいSNSですが、利用者が善人ばかりとは限りません。多くの子どもたちがSNSでDMによるやりとりをきっかけに誘拐事件や性被害に巻き込まれています。「自分自身を守るために」以下事項を守るよう、子どもたちにぜひご指導ください。
・「犯罪被害に遭う人は運が悪かっただけ、自分は大丈夫」と思わない
・SNSで知り合った相手とは基本的にDMでやり取りをしない
・SNSには「プライバシーにかかわること」「ネガティブなこと(悩み・愚痴など)」を書き込まない
・名前・住所・学校・家族・バイト先・塾のことなどを教えない
・「自撮り写真を送って」と言われても、絶対に送らない
・「会おう」と言われても、絶対に会わない
・しつこく誘われたり脅されたりして困ったら、一人で悩まず、先生や親に相談する
・身近な大人に相談できない時は → 警察庁「ぴったり相談窓口」
子どもたちにとってSNSは身近だからこそ、気軽にコミュニケーションを楽しむ傾向があります。SNSのリスクについてもお伝えいただき、楽しい夏休みを過ごせるようご指導いただければ幸いです。
〈参考資料〉
警視庁生活安全部青年育成課「SNSに起因する少年の被害実態と被害防止対策について」