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令和4年通常国会質疑から【第3回】

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議会

 開会中の通常国会では令和4年度予算案や法案の審議と並行し、衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などで、教育問題をめぐってさまざまな討議があった。2月17日の衆議院予算委員会第四分科会では、掘井健智氏(維新)が教員不足に関し、臨時的任用教員の割合に地域差があることを指摘。対応を求めた。

教員不足の原因は

掘井健智議員 本日は、質問の機会をいただきまして本当にありがとうございます。私は、昨年の総選挙で当選したということで、今日が初の質問になります。どうぞよろしくお願いします。

 今日は、市議、県議時代から取り組んできました学校における働き方改革、それと、いじめ防止対策などについて質問していきたいと思います。時間もありませんので、早速質問をさせていただきます。

 まず、教員不足について質問します。

 以前から学校現場で指摘されていた教師不足につきまして、今年一月三十一日に文科省が実態調査の結果を公表いたしました。学校現場の状況が、今回、形で見えるようになったわけであります。担当がいないクラスもあるとのことでありますが、学習面だけではなくて、生徒指導にも非常に大きな影響が及びます。教員不足につきまして、文科省はこれを本当に深刻に受け止めるべきだと思うんです。

 では、まず、この実態調査の結果を端的に説明していただけますでしょうか。また、教員不足の原因をどのように分析しているのか、文科省の御見解を伺います。

教師のなり手が減少

文科省総合教育政策局長 お答えいたします。

 臨時的任用教員等の確保ができず、学校へ配置する予定の教師の数に欠員が生じる教師不足が課題となっております。このため、年度当初における教師不足の全国的な実態を把握するため、今年度、初の全国調査を実施をいたしました。その結果、令和三年五月一日時点の公立小中学校の教師不足は千七百一人、不足率は〇・二八%という実態が明らかになったところでございます。

 この中には一時的欠員も計上されておりますが、中には小学校の学級担任を管理職が代替している例も見られたところであり、懸念すべき状況として危機感を持って受け止めているところでございます。

 こうした教師不足の要因としては、近年の大量退職、大量採用を背景として臨時的任用の候補者が正規採用されたことによる教師のなり手の減少、産休、育休取得者や特別支援学級の見込み以上の増加などが挙げられているところでございます。

 このような状況を踏まえ、文部科学省といたしましては、学校における働き方改革、教職の魅力向上、教育委員会における計画的な教員採用の促進等の取組を進めますとともに、現在中教審で行われている教師の養成、採用、研修等に関する包括的諮問に基づく議論を踏まえつつ、質の高い教師の確保に向けた検討を進めてまいりたいと存じます。

臨時的任用教員に依存した理由は

掘井議員 ありがとうございました。

 今御答弁いただきましたけれども、重要なのは、今、学校が採用したくても埋まらないのは、非正規雇用教員、臨採の枠だということなんですね。文科省の定義でも、教師不足とは、臨時的任用教員等の確保ができず、実際に学校に配置されている教師の数が、各都道府県、指定都市の教育委員会において学校に配置することとしている教師の数、配当数でありますが、これを満たさず、欠員が生じることとされております。ポイントは臨時的任用教員のことであります。

 では、この臨採に依存してきた理由と臨採の役割について、文科省の御見解を伺います。

欠員を補充

文科省初等中等教育局長 臨時的任用教員についてでございますが、臨時的任用につきましては、正規教員が産休や育休を取得することや、あるいは学級数の変動が生じることなどにより、常時勤務を要する職員に欠員が生じた場合に、その欠員を補充するために行われるというものでございます。

 産休、育休は、御案内のように年度途中で発生し、事前に正確な人数を予測することが難しいということ、あるいは、特別支援学級を含む学級数は年度開始直前まで確定しないといったことなどから、臨時的任用教員を一定程度配置せざるを得ないということと考えております。

 そして、この臨時的任用教員の役割でございますが、基本的には、正規教員の行っていた役割を代替するということでございますが、具体的な役割につきましては、各学校の実情やその臨時的任用教員の経験等に応じまして個別に決定されているものでございます。

「臨採」への依存に地域差、見解は

掘井議員 確かに、そのようないい面、欠員の補充、ピンチヒッターの部分があると思うんですね。しかし、この臨採の依存には大きな問題があると思っておるんです。

 二〇〇一年以降の構造改革の結果、学校教育現場では正規雇用教員のポストが減らされ続けてきたんですね。そして、臨採への依存を高めて教師不足を補うことが構造化しております。これでは、ピンチヒッターがそのままスタメンになってしまった、こんなイメージなんですね。ここを解決しないと教員不足の根本的な解決にならないのではないか、このように思っております。

 文科省も、正規の教員採用選考を経ず、体系的な研修を受けていない非正規教員の割合が過度に大きくなることは、体系的な研修を受けていないんです、学校運営面や教育内容の質の維持向上の面で問題があること、特に、増加が顕著な臨採の増加抑制等を講じる必要をこれまでにも指摘しております。正規職員の割合を高めていく必要があるのではないか、このように思っております。

 この非正規教員の依存度、つまり、正規教員から減らされた割合も自治体によってまちまちなんです。

 臨採が教員総数に占める割合で比較してみますと、令和三年のデータでありますけれども、沖縄県が一七%、三重県が一一・一%、奈良県は一四・八%など、これらは全国平均七・三%よりもずっと高いんです。沖縄県では、先生が二十五人いたら四人は非正規の先生だということになります。一方、東京都は〇・三%、山梨県は四・八%、新潟県は三・八%のように、臨採の割合が低い自治体もありまして、ちなみに、今回の教師不足に関する実態調査でも、元々正規職員の数を多く採用している東京都は、小中学校とも欠員がゼロであります。

 このように自治体で臨採依存の格差があることについて、文科省の御見解を伺いたいと思います。

計画的な正規教員採用のために努力

文科省初等中等教育局長 まさに、先生に御指摘をいただきましたように、教員定数に占める臨時的任用教員の割合はばらつきがございます。今御指摘いただきましたように、全国平均は七・三%である一方で、一〇%を超える自治体は、沖縄県、三重県を挙げていただきましたけれども、十五ほどございます。

 それぞれ、我々としても、その理由を各自治体に確認をいたしながら今後の採用計画の見直しなども指導しているところでございますが、具体的な理由といたしましては、定年退職者の大量退職に当たりまして、年齢構成を平準化させるために、全て正規採用するのではなくて、一部を臨時的任用にしているということ、あるいは、見込み以上に特別支援学級が増加しており、予定した教員数では足りず、臨時的任用教員を任用せざるを得ないということを挙げている自治体がございましたが、このような状況を改善するため、今後、採用計画を見直すなど、正規教員の計画的な採用を進めていきたいというふうに回答する自治体もございました。

 やはりこうした状況を改善するためには、各教育委員会が正規教員の採用や適切な人事配置を行うことができるよう、今後の教員定数の見通しを持てるということが何より重要であると考えております。

 このため、小学校三十五人学級の計画的実施、あるいは小学校高学年の教科担任制の推進に向けた定数改善の計画的な実施ということで、より一層計画的な正規教員の採用が行えるよう、引き続き我々も努力し、促してまいりたいと考えております。
(議事録から抜粋)

令和4年 通常国会質疑から