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東京・青ヶ島の学校から ~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第26回】

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食を通して国際理解教育を

 「ガーナの子供たちは、チョコレートを食べることは、少ないんだよ。なぜ、ガーナの人はチョコレートを食べないと思いますか」。ゲストティーチャーとして、ガーナの話をする養護教諭の問いかけに、児童はびっくりしながらも「チョコレートを食べる習慣がないのではないか」「チョコレートの作り方を知らないのではないか」など、真剣に考えていました。
 青ヶ島小中学校では、昨年度から、給食を通した国際理解教育を進めており、毎月1~2回、世界各国の料理を給食の献立に出してきました。栄養士が、月ごとに対象とする国を決め、その国の代表的な料理やお菓子を1~2品献立に加えます。
 子供たちには好評で、「世界を旅する気分」と言っています。5月は、「ガーナ」の月でした。「ジョロフライス」「オクラとトマトのスープ」などのガーナ料理が給食で提供されました。また、小学生がガーナのカカオ豆を使ってチョコレートを作り、それを使って「チョコブラウニー」が提供されました。
 今回のチョコレート作りは、本校の養護教諭が、一昨年まで、青年海外協力隊員としてガーナに赴任しており、現地でカカオ豆を使ってチョコレートを作った経験があることから、小学生のチョコレート作りとなりました。
 カカオ豆は現地から取り寄せ、炒ったカカオ豆の皮をむくことから作業を始めました。むいた豆をミキサーでペースト状にしたところで味見をすると、「苦い」とみんな顔をしかめていました。砂糖を入れて、冷やして固まったチョコレートを試食すると、日本のチョコレートよりも好きだという意見も出てきました。
 今回は、チョコレート作りの経験だけでなく、ガーナの様子も養護教諭から話してもらい、国際理解を深めました。ガーナの位置や気候の特徴、住んでみての日本との違い等について、たくさんの写真を見ながら、驚きと好奇心と共に児童は聞いていました。
 特に、「ヤギや牛が道を歩いている」「水道からの水は1週間に1日しか出ない」などは、とても驚きがあったようです。
 印宮ゆき絵養護教諭は、「子供たちが社会に出ていく中で、言葉や考え方の違う国の人と共に生活することは、この先当たり前になってくると思います。日本とは違う国の様子を知ることで、世界には様々な生活や考え方があることを知り、お互いに尊重し合う気持ちが育ってほしいと考えます。また、無限の可能性を秘めている子供たちが、世界を視野に入れて夢や希望に向かって挑戦していけるよう、青年海外協力隊での経験を積極的に還元していきたいと思います」と語ります。
 食を通して、世界の多様性を感じるとともに、本校が進めているESD・SDGsの学習として、とてもいい教材になりました。
(木下和紀・青ヶ島小中学校 校長、写真はカカオ豆の皮をむく様子)

東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~