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コロナ時代に考えたい学校問題【第188回】

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論説・コラム

教職と恋愛

 恋愛の経験は人生を様々に変えてしまうものである。赤い糸で結ばれたと言いながら自ら切る人もいる。運命的な出会いといいながらいつの間にか別れる人もいる。盲目になるし熱病のように正しい判断も出来にくくなるのが恋愛である。しかし、パワーになることは間違いない。そして時には心中となる。
 教員は、うまく出会わないと結婚へはなかなか結び付かない職種に思える。なぜなら大学生の時は真面目に学業に励み、教員として勤務すると身近な同僚にその対象を求めやすい。すなわち職場恋愛である。これにはかなり慎重になる。何故なら失敗したら気まずくなるからである。そして、それも割りきれるほど教師は図太くはないし経験が少ない。
 昔はおせっかいな先生がいて、引き合わせてくれたり、保護者から紹介を受けたりしたが、この動きが弱くなっているようにも感じられる。ならばいつ出会うのかとなり、やがて時間が過ぎてしまうのである。小学校に勤務していたころ、座席を近くすると結婚する職員がいたので、座席や学年を組ませる事には意識した。そして学校経営がうまく言っているときは、成婚率が極めて高くなる事実を目の辺りにしてきている。
 そこで、あえて強調したいのは、おせっかい先輩が増えて欲しいのと、気まずくなろうが恋愛を積極的にして欲しいと思っている。赤い糸で結ばれていなくとも後で結べばよいのである。それも、これも意味のある出会いと受け止めて恋愛を恐れず経験して欲しい。素敵な先生が時を逃す事があまりに多く感じられて来たからである。恋愛は人間として試され、成長出来る要素を多く含んでいることは確かである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題