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コロナ時代に考えたい学校問題【第176回】

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日々に潜む「重大事案」

 いじめを受けていた中学生が自殺したとの記事を読んだ。記事によれば、生徒は、何度か、いじめの相談を担任にしていた。報復を恐れて、相手への指導はしなかったという。
 問題点は、報復があるので指導しなかったという点をどう考えるかにある。鵜呑みにして手を打たないままで、自然解決するはずはない。常に最悪を想定して保護するべき責任がある。
 身近に自殺した中学生がいた。始業式の朝にマンションから飛び降りて亡くなった。行政による発表では、アンケートにそれらしい記述はなかったし、親も触れないで欲しいと言っているとのことで、話は収められてしまった。
 この件からも指導の躊躇を報復や親からの要望として、責任を回避しようとしているように見える。教師がシェルターとなり得ないという証拠であり、傍観したことと同じになる。
 どちらにも共通するのは、自殺の可能性を想定できなかった事実である。ここを抜本的に変えなければ、同じ様な犠牲者は出続ける事になる。重大事案は、日々の小さな事案から始まっている事を認識せねばならない。
 こうした記事に必ず評論家がコメントをしている。これを読むとさらに腹が立つのは私だけだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題