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コロナ時代に考えたい学校問題【第171回】

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慣れの恐ろしさ

 「わいせつ」「淫らな行為」という言葉が教員の不祥事として飛び交っているが、人権の視点からすると軽すぎるように感じる。これらはとんでもない犯罪なのである。
 慣れの恐ろしさを私達はよほど認識しておかないと見えなくなり感じなくなるものである。すなわち、違和感を持ち続ける事が必要なのである。「馴染む」と「和する」は異なる。馴染んではならないものがあり、和してはならないものもある。
 特に権力や身勝手な欲望は多くの犠牲を出すことになる。
 災害時に県民よりも我が家へ向かった知事が退任する。また、市長室に特注のシャワー室を作り市議会で説明する市長がいる。レベルの低さに呆れるが、側近の責任がなぜ問われないのか不思議でならない。コンプライアンスや制御作用が働いていない。議会もこんな事に時間を割く余裕はないはずである。
 こうした不適切な行動をしても任期中は辞めさせられないのだから、おかしなシステムである。教員による職場放棄、欠勤、私的流用なら一発で処分が下る。なぜ首長や議員は特別扱いなのか。納得のいくように説明願いたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題