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コロナ時代に考えたい学校問題【第167回】

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「やらない人」と「やりすぎる人」

 やらない人、やりすぎる人、そして丁度よい人が職場にはいる。
 やらない人は、やれないか、やらないか、人よりも楽することを考えねばならないか、考えてしまうか。やりすぎる人は、やりすぎが日常化しているか、知らぬまにやりすぎているか、意図的にやりすぎるか。この両者は目立つので分かりやすい。
 そんな中で丁度よい人がいる。この丁度よい人にも種類があって、自分を計算に入れて損をしないように人から変に思われないようにと周りを見る人と、自分がやらねばならないと負担を承知で引き受ける人がいる。概してこうした人は、普段は穏やかでさほど目立ちはしないものである。私はいつもこうした人になりたいと思っている。

 公務員は、上記のどこにあてはまっても同じ勤務条件になるが、厳密に内容を吟味すると対価・効果を同金額で査定することはとてもできないものである。昔、県視学官という職があったらしい。今で言えば管理主事と指導主事を兼ねるような役のようである。この人物が学校へと視察に来て、授業を見て「この先生の給与は上げるように」と、その場で指示をしたという。
 その後、同じ校長でも児童・生徒数が1000人を越える規模でも、100人規模でも給与はある時期から同じにされてしまった。困難なクラスの持ち手がいない時に誰かが引き受ける事になる。労働や心労は数倍になるものの対価は変わらないのが公務員なのである。この不公平感は何も変わってはいない。ある意味、その力量や資質を見極めて民間企業のようなレベルで査定しないと、水は自ずと高きには登らない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題