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令和2年臨時国会質疑から【第9回】

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行財政

 12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、伊藤孝恵議員(国民民主党)が通園バスでのシートベルト着用について質問。萩生田文科相は関係省庁と話し合っていきたいなどと答弁した。

「通園バスのシートベルトに賛否、大臣の考えは」

 伊藤孝恵議員(国民民主党) 通園バスのシートベルト問題について伺います。
 道路運送車両法の保安基準を満たす通園バスなどの幼児専用車は、全国に今一万八千台ほどございますけれども、国交省が一三年にまとめたガイドラインで、シートベルトについては、幼児は自分で外すのが難しく、緊急時の脱出が困難、年間九十件ほど事故はあるんだけれども、重傷率は低いなどの理由で義務化はされておりません。メーカー側も安全基準が示されていないので装備することができません。
 ベルトをすると安心、例えば子供が外せないから危ない、両者の意見があるからこそ国の判断が求められますけれども、国交省はずうっと引き続き議論するというふうにおっしゃっておりますし、警察庁は国交省の管轄ということの回答で、実際に起きている事故でどれほどの子供たちが怖い思いをしたか、親御さんが不安な思いを抱えているかに応える熟議の実態はございません。
 子供を乗用車に乗せる場合はチャイルドシートが義務化されています。日本自動車研究所は、三歳から五歳児は成人用のシートベルトでも着脱に時間は掛からないとの研究結果を一七年に公表しました。
 子供が園内にいる時間のみならず、通園の間の安全にも目配りしていただきたい。この件について、文科大臣の御所見、お聞かせください。

「自分では判断できぬ」

 萩生田光一文科相 これは国交省の所管でございますが、私もどちらが正しいのかというのは、ちょっと自分で判断できません。
 普通はチャイルドシートなんかを考えれば、スクールバスなんかもやっぱりシートベルトをした方が子供の安全にはいいんじゃないかと思う一方、やっぱり事故やバスの火災などのときにはシートベルトが外せなくて子供たちがパニックになって大変なことになるというような御指摘もありまして、現状の仕組みですと、スクールバスというのは余りスピードを出さない前提で子供たちの送り迎えをしているということなので、その国交省の指導を了としたいと思うんですけれど、今いろんなメーカーの方も、ベルト式じゃなくて、例えば遊園地のジェットコースターみたいに用意ドンで全員が締め全員が開けれるような、ボタン一つで開閉ができるようなものもいろいろ開発しているようなので、これからどうしたら子供たちが安全に通学ができるか、しっかり関係省庁とも話合いをしていきたいなと思っています。
(参院文教科学委員会令和2年11月17日)

令和2年 臨時国会質疑から