令和2年臨時国会質疑から【第1回】
NEWS12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、上野通子議員(自民)がICT教育関連で、九州工業大学が養成している「情報教育支援士」を紹介。全国化への考えを尋ねた。
「情報教育支援士養成コースを全国に」
上野通子議員(自民) 九州工業大学においては、情報教育支援士養成講座を開催し、学校における情報教育を支える専門人材として情報教育支援士を養成しています。その内容は、同大学情報理工学部において、実習を含めた全八教科を修了した者に対して情報教育支援士の称号を授与するというものです。
大変いい取組だと私は思っております。しかしながら、まだまだ他の大学ではこのようなことは広まっていないのが現状です。なので、新たな雇用創出として確立ができておりません。しかし、学校の現場の現状を考えると、このような支援士のニーズは高いんです。
そこで、まず、この九州工業大学で進めている情報教育支援士の養成コース、これを全国に波及していってはいかがと思うんですが、どう思われるでしょうか。さらには、また、デジタル化教育充実のためには、この支援士の各学校への配置、整備の必要性、先ほどもお話ありましたが、更に強化することは考えていらっしゃるでしょうか。二点についてお伺いします。
「教委などと連携、現場で活用される枠組みが重要」
文科省初等中等教育局長 九州工業大学の情報教育支援士養成講座は、小中高等学校や生涯学習の現場でコンピューターやネットワークの基礎的な活用について分かりやすく指導ができる能力などを身に付けることを目標に実施されていると承知をしております。
この講座は、九州工業大学が情報教育に関心がある社会人を主として対象として、特別な課程として学士課程相当の講義を独自に開設しているいわゆる履修証明プログラムでございますが、情報教育の支援を行える知識、技能を持つ者であることを証明する取組として有効な取組の一つであると考えております。
こうした取組が全国の大学で展開されるためには、地元の教育委員会などと連携をして、学校現場でしっかり活用されるような枠組みを整備することが重要と考えます。九州工業大学においても、福岡県教育委員会、それから地元の教育委員会とも連携をしてこの講座を実施されていると承知しております。
また、こうした情報教育支援士のようにICTに関する専門的な知見を有する方がICT支援員として小中学校に配置をされ、日々の授業に取り組む教師を支援していくことは、学校におけるデジタル教育の充実を図る上でも極めて有意義であると考えております。
文部科学省としては、こうしたICTに関する専門的な知見を有する方をICT支援員として配置されるよう各自治体に対してその意義を周知し、情報をつながせていただくとともに、地方財政措置の積極的な活用を促しているところでございます。
今後とも、ICTを積極的に活用した児童生徒の学習指導や校務改善等が進みますよう、引き続きその配置促進に努めてまいります。
(参院文教科学委員会令和2年11月17日)