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令和2年臨時国会質疑から【第6回】

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 12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、横沢高徳議員(立憲民主党)は、休日の部活動を学校から切り離す構想について質問。文科省側は地域に応じた対応が必要との認識を示した。

「休日の部活動、地域移行をどう考える」
 横沢高徳議員(立憲民主党) 学校の働き方改革において、部活動改革についてお伺いしたいと思います。文部科学省は、令和五年度以降、休日の部活動を段階的に地域に移行する方針を示しました。平日の部活動は学校、休日の部活動は地域と、簡単に切り分けられるものではないとは思いますが、いろいろ課題もあると思います。休日の部活動を地域移行していく上で、地域スポーツクラブや文化、芸術の地域活動と学校部活動とのすみ分けをどのように考えているのか、大臣のお考えをお伺いいたします。

「令和五年度から段階的に」
 スポーツ庁次長 今般の学校の働き方改革を踏まえました部活動改革におきましては、第一歩として、御指摘のように、休日の部活動につきまして令和五年度から段階的に地域スポーツへの移行を進めていくということとしております。
 その際、部活動の指導を希望する教師には兼職、兼業の制度を活用して引き続き生徒の指導に携わることができる仕組みを設けておりますが、その一方で、指導を望まない教師の負担軽減を図るため、教師に代わりまして、スポーツクラブの指導者ですとかあるいは大学生など専門的な指導を担うことができる地域人材の確保を必要としているところでございます。
 また、地域部活動の指導者の謝金等の費用負担の在り方を整理する必要などがございまして、来年度から、全国各地域で様々な関係団体と連携しながら国として実践研究を行うこととしているところでございます。
 文部科学省といたしましては、各地域の実情に応じた多様な取組を着実に進め、その成果を広く情報発信することで休日の部活動の地域移行を全国展開していきたいと考えておりまして、生徒にとって望ましい部活動改革とともに、その受皿となる地域スポーツの充実も進めてまいりたいというふうに考えております。

「部活動を残したいのか」
 横沢議員 部活動を残していきたいのか、それともいずれは地域へ移行していきたいのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいんですが。

「子どもの意欲に応えられる環境つくりたい」
 萩生田光一文科相 まさにそれ検討中でございまして、なかなか画一的にどちらかを選ぶということはきっとできないんだと思うんです。
 誤解を恐れず申し上げますけど、私、東京なものですから、例えばさっき次長が言ったように、子供たちのニーズに合わせた指導者を外部で探すということは割と安易にできます。この競技を経験した指導者でやってくれる人いませんか、こういうことやってくれませんかということなんですけど、先生の御地元の岩手県で、じゃ、同じことができるかというと結構大変だと思うんです。
 じゃ、受皿となる民間のスポーツクラブがあればそれでいいじゃないか、これも東京圏などは、そういった言うならば学校のクラブがたとえなくなったとしても、そのスポーツなりあるいは文化活動をやりたいという受皿になる民間のそういったものは存在しますけれど、これ全国あまねく今放課後の活動として行っているクラブ活動が地域の事情によってその経験をすることが奪われてしまうということは、私はあってはならないと思っていまして、できる限りその部活というのはニーズに合わせて残していきたいと思っています。
 あるいは、拠点校で、一つの学校に同じようなものがあるんじゃなくて、拠点校で、そこで放課後集まってもらうみたいなことも一つのオプションとしては考えていかなきゃいけないかなと思っています。
 ここすごく悩ましいところで、さっき次長から、やりたい先生は一回いわゆる退庁後、先生という身分を一回線引きをして、それで兼業を認めるという仕組みを今考えているんですね。
 この前、私、衆議院でも言ったんですけど、マーチングバンドの全国大会があって、そこに行きましたら、部活の顧問の先生方が私の控室にお見えになって、大臣は私たちから部活の顧問を奪うんですかと言ってえらい勢いで怒られたんですね。働き方改革の議論の真っ最中だったので、私は日曜日に大会やっていることがさぞ負担だというふうに思っていたんですけど、その先生方が、一人二人じゃないんですよ、大勢で言うには、私たちは日曜日にどんな有名なコンサートに行くより、子供たちの成長を目の当たりにした方が翌週から元気が出るんです、我々にそのクラブの顧問を奪わないでくれと、こう言われました。私はちょっと感動したんですね。
 ところが、そのときに先生方から更に解説が入って、しかし、教員もそのライフサイクルがあるのでずっと同じモチベーションではいられないんです、若いうちはもう時間のことは余り関係なくてできるけれど、自分が家庭を持って子育てなどをしている間はやっぱりちょっと引かせてもらいたいと。それから、ある程度ベテランになって残り何年となると、今度逆に早く家に帰りたくないというモチベーションがあって、部活動一生懸命やりたいという先生もいらっしゃるんだそうです。
 したがって、マーチングバンドというのはそんなに全国的にどこの学校にもある部活じゃないんで、どうしているかといったら、協会が調整弁になって、ここに要するに指導者を派遣する仕組みを持っているので、一回その波が、要するに現場を離れたいと思ったときには代わりの人を見付けてくれる調整弁の役をやっているということだったんで、こういうことも参考にしながら、何とかやっぱり子供たちが活動したいという意欲には応えられる環境はつくっていきたいなと、そう思っているところです。どちらかを選べという段階ではございません。
 (参院文教科学委員会令和2年11月17日)

令和2年 臨時国会質疑から