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コロナ時代に考えたい学校問題【第118回】

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論説・コラム

講師不足と「不祥事」

 教員採用試験に不合格になった人物を臨時的任用職員として産育代替や療養、事故代替さらには非常勤等の様々な雇用に充てていたやり方が、該当者が不足して、かなり前から悲鳴をあげている。一番の要因はマスコミのブラック報道で志願者が激減しているからだ。
 その関係からコロナもあり、講師要員がさらに不足して、本来ならば問題がありそうな人物にまで声をかけないと急場をしのげない状況が都心ではこの15年ほど続いている。
 とはいえ、講師には、正規職員よりも有能な人物が多く居るのも現実である。一年限りの期限付き採用であるから、いつ雇用が切られるか不安でならない。よって努力を怠らないという姿勢もあるからだろう。
 しかし、このコロナ禍の中で臨時的任用職員の確保がままならず、不祥事が吹き出しているとも言える。
 もうひとつの要因は、やはり政治や行政にある。現場を知らない。現場へ来ない輩にとっては所詮他人事だからだ。
 唯一の方法は、不安要素の講師や教員に目を届かせることだ。現場監督として、現場に精通する事である。見えなくなったり、よどんだり、不安な要素を毎日確認して手中にしておく必要がある。それでも不祥事は起きるだろうが、手に終えないときには教委への重ねての派遣要請や、PTAや地域の協力者を組み入れる工夫が求められる。ある意味、免許の所持にこだわってはいられないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題