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コロナ時代に考えたい学校問題【第104回】

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行政への圧力がもたらすもの

 「また、長崎か」とため息が出た。以前に小学6年生が同級生を校内で殺害したショッキングなニュースとその記者会見で、校長の「しどろもどろ」に教委のサポートの弱さを痛感した。
 「しどろもどろ」が想定されるなら、教委が原因を調べているとして対処すべきことなのに、そうせず、ある意味晒し者にしたように私には見えた。
 この件で著名な大学教授が「危機管理」と題して講演した。私は「何故状況を把握していない校長を記者会見へ出す必要があるのか」と質問をした。その教授は「社会状況からして仕方ないのです」と、皆が呆れる回答をした。その人物がその後、文科の様々な座長を歴任したときに未来が見えた気がした。あのときの予測が的中して教育の不祥事が続発している。
 そして今回のいじめを苦に自殺したとされる問題では、学校側が遺族に「突然死ということにしないか」と提案した上、私立校を監督する長崎県学事振興課も「突然死までは許せる」と追認していたとの記事を読んだ。
 何故、こうした虚偽を考えなければらないのか。何故、事実のままに報告出来ないのか、不都合があるのか。そうさせているのは何か。勿論、不適切であり悪質に感じられるが、そうさせているのは何なのか。議会からの圧力か、誰かの営利が働いているのか。
 この曲解させる圧力が何処から来ていたのかを明らかにしない限りまた、同じことが起きることは間違いない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題