日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

コロナ時代に考えたい学校問題【第73回】

NEWS

特別活動とボランティアの「論」

 大学教授の講義内容が、学校現場にフィットしていて欲しいと、つくづく思ってしまう。学生の受けを狙ったり、少し専門的な話をしたりと、授業デザインして講義をされるが、極めて中途半端なものが多いように感じてしまう。
 特に「特別活動論」や「ボランティア論」は、その極みと思えてならない。
 特別活動は、イベントを仕掛けて、盛り上げて、感動させて、打ち上げ花火のように終わってよいのか。往々にして手段が目的になってしまっているものがある。それをさも自分がやったと勘違いして自己満足する者は少なくない。社会の諸課題を解決するのが目的ならば、イベントではその場しのぎに過ぎない。
 また、ボランティア論もそもそも論で講義をされるが、実践はほとんどうわべの工夫で、目的がずれているように感じられる。ボランティアが好きだから、余力もあるからやっている、というレベルと、利他の為に自らの時間や命を掛けてやるボランティアでは、質が明らかに異なる。後者をベースにして皆を楽しませる前者をすべきではないだろうか。その実践をしていたなら、大学での講義は、半端にはならないはずである。

 私には、能力もない。金もない。人脈もない。勿論学歴もない。だから、ただただ一生懸命やるしかない。その姿こそが一番尊く、美しい特別活動であり、ボランティアであると私は教えたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題