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コロナ時代に考えたい学校問題【第69回】

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私の贅沢

 私の贅沢は、月に一回程度、鰻をひと切れ、ゆっくりと味わいながら食べることである。沢山はいらない。これで十分と思っている。父が鰻が好きで、自分で味をつけて料理して幸せそうに食していたからかもしれない。
 いつも食べられる人には贅沢とはならないだろう。すなわち、贅沢とはそうしたものなのである。
 さらに、内緒で食するものにあんず棒がある。これがたまらない。駄菓子屋で買っては食べて、着色料などの事で母からはやめるように言われたが、忘れられない懐かしい味なのである。
 一本をゆっくり味わうのがたまらないのだ。今の子どもたちが私の年になったときに、そうした懐かしい味は残っているだろうか。

 年々起きている地球環境の大変動に動植物は順応できるのだろうか。物言わぬものたちにより生かされている人間は、他を責め、他と比較して、欲を満足させる行為に限界が来ていることを真摯に知らねばならない。
 あなたの贅沢とはなんだろうか。それは華美なものや高価なものでなく、昔身近にあったものなのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題