日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

コロナ時代に考えたい学校問題【第56回】

NEWS

不満を吐き出すことから始まる研修

 校内研修の手法や方法の最前線を現在実践し始めている。それは千葉県市川市の行徳小学校で、コロナの中でスタートした。かなりの制約はあるが、これまでの研究を私なりに削ぎ落とす全体研修会から始まった。
 校長の姿勢が違う。総合的な学習の時間のまとめの時期に呼んで頂いた。

 先ずは、日常の不平不満を吐き出させた。何度も言うように、出さなければ新しいものは入らないのである。ここがポイントになる。

 合わせて、若手の意欲が真っ直ぐに伸びようとしている事である。授業の在り方について、時間外に私の自宅までやってくる姿勢が継続している。
 私もこの年代の時には、講師の自宅まで押し掛けて行った。それがその後の自信となっていったことを思い出す。よって心から歓迎している。

 面白い。やってみたい。ウキウキ感がある。子どもが喜ぶだろう。研修は受講者がこのように感じるものでなくてはならない。気軽に示範をして頂ける講師をお願いする事も大切である。理論と実践は車の両輪ではあるが、実践を先にして反省改善して積み上げる事が基本である。

 よく、授業参観を後方からする傾向があるが、これは間違いである。教師の表情や発言に子ども達がどのように反応しているのかは、表情のやり取りを見なければ分からないのだから、横から参観するのが当然である。先ずはこうしたところから改善していかねばならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題