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コロナ時代に考えたい学校問題【第42回】

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相互不信時代の生徒指導

 生徒指導がコロナで試されている。すなわち自己指導能力の育成、向上、定着となると不測の事態の為にこれまでの基準が当てはまらない。

 アルコール消毒を行うにもアレルギーへの配慮を欠かさない。次亜塩素酸では臭いが残る。一つの菌が残ればすぐに増殖してしまう。よって頻繁に消毒をせねば教育環境を維持できないのが現実なのである。

 日本人は信じやすいところがある。信じても裏切らない資質が根底にあるとしてきた。自宅の鍵を閉めないで、隣の人が「醤油借りるよ」と、声を掛けて持っていく実態が私の田舎にあった。しかし、その古き善き時代は急激に変わり始めている。

 災害現場での、窃盗などありふれた出来事になりつつある。人の生傷に塩を塗り込むような許されない行為である。こうした現実の中で相互不信が増幅されているのである。これから先の未来にこの傾向は更に増すことになるだろう。その主役となる子ども達に何を教えて置くことが必要なのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題