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コロナ時代に考えたい学校問題【第29回】

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教職員組合の存在

 教職員組合という組織がある。初任の頃、多くの先輩に囲まれて勧誘された。熱心だなとは思った。私は、災害現場や土木現場で働いていたことがあり、激しい組合の存在は知っている。
 ある時は、日の丸、君が代で長々と論議して、子どもを自習にさせていた。酷すぎるので会議を抜けて教室へ行き授業をやった。追いかけるように役員が大勢で来て糾弾された。相手にはしなかった。
 組合の本来のあり方に疑問を持ったのは言行不一致の姿にある。職員会議も次々とシナリオでもあるかのように発言し畳み掛ける醜さがあった。終わると管理職を取り囲み攻めている。
 そんな人物が十年後、管理職試験を受けに来たのには驚いた。組合の役員でないと管理職になれない地域もあれば、組合員だと管理職にしない地域もある。組合の種類にもよるのだろうが、組合の肩書きや組織力でレールに乗る面々のすべてに資質があるとは思えない。

 さらに教師に明らかに不利益な施策の時にも取引があるためか、本来ならやるだろう署名活動もしない。何のための組合なのかを再考しないと、さらに衰退する。
 日教組が教育を駄目にしたと決めつける人がいる。私はそうは思わない。現在、噴出する不祥事はそれ以外の処からも多く出ている。私利が先で利他が後になり、何のためかがずれてしまえば確実に腐り始める。組織は人である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題