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コロナ時代に考えたい学校問題【第28回】

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人事異動の裏にあるもの

 人事異動には裏舞台がある。中には政治の力を借りる者がいる。その力によりおかしな人事がまかり通る。金の力を使う者も少なくない。こうした不正を正そうとしてIT化を試みた結果、年度末には職を外された。もちろんそうなることは想定していたが、不都合な者を排除する人事は実に分かりやすかった。

 自分の都合に合わせて、身内や仲間を登用する者がいる。「そのやり方では、連作障害が起きてしまいますよ」と、進言をした。早速、事件が起きた。見事に任命権者の管轄外へと異動昇進させた技には驚くよりも呆れた。言行不一致の最たるものである。こうした理不尽な行為が次々に事件・事故となって表出しても、頭を下げて時を過ごし、皆の記憶から消えるのを待つのである。

 人事も所詮は「他人事」であり、「判断」である。その判断基準に「我欲」や「私利」を入れずに行えるかは、自己の良心に従うか、我田引水を画策するか、すべて己次第である。
 自分の為に「なりたい」輩ではなく、「なってもらいたい」人物がなるべきであるが、そうならない時は、どの世界でも裏舞台が忙しい。それを黙認する者は昇進するが、経験上、難を指摘する者は、排除の見せしめにあう。それは教師として勲章のようなものであると私は捉えている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題