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生徒指導~小学校段階での考え方~【第211回】

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実践的な知識を身につける

 「実践的な知識」は、どのように身に付けるのか。それは、その知識が必要と感じなければテストの為の暗記で終わってしまう。
 ポイントは「必要感を持たせる」事にある。誤って自動車で人をはねてしまった時、頭の中には仕事も信用も失い。犯罪者としての重荷を一生背負う事になる。家族にも影響が出るし、教え子や同僚に会わす顔はないと考えるだろう。だから「誰も見てなければ、悪いこととは分かっていても逃げよう」と考える邪心が過る事になる。

 ここでの知識は、自分の過失は後にして、人命尊重を第一に行動出来るかにある。また、救急措置や連絡等を最優先して行動出来るかにある。同じ事故でも脇見もあり、要因は多様である。勿論、人身事故は鉄の塊を運転しているドライバーの過失が問われるが、不測の場合も少なくない。一度は留置されもするが、死亡事故であっても被害者との話し合いで示談になることも少なくない。私はこうしたケースに何度も立ち会っている。

 世の中の出来事は法で裁けるものと、裁けないものがある。勿論、法の未成熟さは折ある事に多々感じられる。心の持ちようは自分自身、家族、被害者家族、関係者の間での処罰や賠償金支払いですませられるものではない。よって生徒指導の講義の中には、実際の判例や解釈、さらに心理を取り入れ、その当事者やその関係者が、その後どのようになっているかを説明すると、あの時の判断がどのように影響したかが鮮明になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~