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生徒指導~小学校段階での考え方~【第210回】

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場に応じた服装

 人物は人物を見抜くものである。これは何を基準にしているのだろうか。ある意味、一瞬で分かってしまうから恐ろしい。外見しかり、振る舞いしかりである。
 見栄えよく繕うために、時計や靴やスーツさらには車まで揃えて見くびられないようにする営業系の人がいる。同じような価値観の人なら騙しあいだからどっちもどっちだが、見る方が人物ならば、その着飾りは滑稽に見えてしまう。

 先日、父の遺品の腕時計をして教育実習訪問で校長と面談した。話よりも私の時計が気になったようで、価値観が見えた。
 憧れの高級車を獲たいために頑張って働く青年に会った。何故か不純に見えた。質素であっても清潔であれば服はよく、時計も正確ならそれでいい。ただし、その時その場に応じて身なりを整える事は、生徒指導における自己指導能力そのものである。

 優越感に浸りたい気持ちも分かるが、それが目的ではお粗末ではないだろうか。校長になるが目的となると、なった瞬間から保身へと走る。出来るだけ質素と倹約をモットーにして、時にはプチ贅沢なら可愛いが、派手な生活を見せびらかす輩には人物はいない。
 人物は人物を知る。この視点が人事や投票にも求められる。メッキは剥がれるものである。剥がれると錆びて朽ちるのは早い。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~