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生徒指導~小学校段階での考え方~【第208回】

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主体意識を持って本質を見極める

 「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」という分かりやすい喩え方がある。これは、様々に当てはめることが出来る。木を個人に、森を組織にして考えると、腐ったり枯れたりしている木を見てそれを撤去しただけでは、なぜ腐ったり枯れたりしたのかという本質が見えなくなってしまうものである。私達はこうした事をよくやらかす。

 水も流れないと腐る。よく、自分の地域や職場の問題を他人事にして話す人がいる。この地域は、この学校はと、話し出しから、「私は悪くない。私だけはまとも」と言いたげだ。
 意識は言葉に出るから怖いものである。本来ならば、私の地域、私の学校と話すところに主体的な姿勢が感じ取れるものである。この主体意識がなければ、生徒指導は成り立たない。

 「前の職場ではこうだった。こんなに良かったのに何でここは酷いの」と言い続ける人がいる。自分で周りが腐るような毒を撒き散らしているが、気が付かない。
 「組織を変えるのは先ずは自分から」と腹を決めている人は、安直な否定はしない。法制度が駄目なら貴方が変えればいい。働き方改革に不安があるのなら、貴方が変えればいい。能書きよりもやれることをする。その決意と行動の人の目付きや言葉には凛としたものがある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~