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生徒指導~小学校段階での考え方~【第206回】

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叱って励ます

 竹中直人がお笑いの芸で「笑いながら怒る人」をよく見せていた。真似ては見たが難しい。
 笑いながら叱れたらいいと思う。怖い顔をして誉められても嬉しくはならない。こちらの方が当てはまるケースが多いように思える。低学年の児童に家族の絵を描かせると、笑いの顔や無表情の顔や人物が大きく描かれたり、小さく描かれたりするから面白い。

 大人が皆、笑いながら叱れたらきっともっと豊かな時間が過ごせるのかもしれない。大学生に小学校の頃を回想させ、誉められたことと、叱られたことのどちらが多いか聞いてみた。圧倒的に「叱られた」に挙手をした。そちらが強く印象に残っているのだろう。

 誉めて育てる事の大切さは指摘されるが、どこで、何を、どのように誉めるか。その根幹は「励ましの心」にある。本当に嬉しいと感じるところを外さずに「励ます」ことがポイントである。
 しばらく前に自殺者が二万人を切ったと報じられた。未遂や不審死はカウントされないから実数は減っているとは思えない。男性が女性の倍となっている事も理解できる。様々な要因があるだろうが、励ましながら真剣に叱って、叱られたのに励まされたとの感想を言わせてみたいものだ。受容しながらも厳格に叱る術を身に付けたいと思う。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~