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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第85回】

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電話に注意したい

 電話応対でその人物の資質がよく分かるものである。

 こんな経験がある。「亜細亜大学の大久保と申しますが」と所属と要件を伝えて担当者に繋いでもらった。すると、「どういう御用件ですか?」と、トーンの低い声で管理職の方が出られた。「県総合教育センターの新任校長研修を担当している大久保ですが」と、話すと「失礼しました。お世話になっております」と、声のトーンが2オクターブほど、高くなり、明るくなり丁寧な対応をしてもらえた。

 過去の肩書きを出すのも控えているが、電話では伝えにくいものである。私もそうしていたかもしれないと反省させられた。

 学校には、様々な電話が掛かって来る。その対応は簡単ではない。ある時「校長を出してくれ、『私と言えば分かる』と、変な電話なので切りました」と、教頭さんが不満顔で報告に来た。「それで、いいですよ」と快諾した。
 再度、同じ人物から電話があり、私に回してもらった。すると、以前に私が仕えた校長で、県教委の大幹部で大臣表彰を受けられ、御子息も教委の重職についておられた有名人であった。
 用件は儲け話であった。体よく断り、教頭には、こうはならないようにと説明をした。人は電話ひとつでもその資質が現れるものである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」