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生徒指導~小学校段階での考え方~【第197回】

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「察する力」を身に付ける

 相手が何に困っているのかを察して、迅速に支援し、手を打ち、安心させる事が生徒指導の基本である。
 「困ったことへの対処」は、「困る前に手を打てなかった事後処理」と受け止めたい。どうすれば相手の困り感を見出だせるか。感じ取れるか。これは、意図的に五感を訓練をしないと見えてこない。

 情感が弱く、場の雰囲気を察することが出来ないで、思ったことを話し、険悪な状況を作る人がいる。何の悪気もないからこそ手強い。教師にも、子どもにも、保護者にも、地域の方にもそうした方が存在している。
 そして、自分もそうかもしれない。周りを困らせても気付けないのである。
 一昔前までは「変わった人」で許容されていたが、病名が付けられ、薬が開発され、更に増えた気がする。

 どう対処すればよいのか。先ずは俯瞰して、適当な距離を置いて誠実に関わる事である。何に困っているのか、出来ることは何かと、見逃さずに、忘れずに、知恵を絞り、あれこれと考える事である。「この子がいたから」「この人がいたから」こそ、思案をする機会を得ることが出来、「本当に有り難い」と、捉えたときに支援の糸口が必ず見えてくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~