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生徒指導~小学校段階での考え方~【第194回】

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「流行」に対処する

 「彼は、あの人間では使いこなせない」と耳にしたことがある。だが、暴れ馬もどう調教するかで立派な馬になるかもしれない。近年、勢いのある者は極めて貴重になっている。それを生かせる調教師が少ない。

 教職大学院が学校現場で認知されないのは何故なのか自らに問うべきではないだろうか。プライドはあっても、その謙虚さを未だに感じられない。一般に生徒指導の講義で即実践に活かせるものは少なく、過去の遺物を価値あるものとしてそれなりに見せて済ませているようにも感じられて仕方ない。
 現代の様相は複合的で、これまでのケースでは考えられない内容のものが急増している。すなわち過去の人が講義をしても微妙にズレが起きているのである。

 「不易」を学ぶことは必要であり、同時に、「流行」に対処する力が求められているが、そこが満たされていない。よって後手になっている。
 「過去の人」とは今に立ち向かうことを辞めた人のことである。能書きは立派でも現場に来ない、来られない人をさす。こうした者を育てた先人の器以上には確かになっていない。自分以上の人物を育てる事を教育と言う。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~