大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第65回】
NEWSどうなる教育実習
教員採用試験が近づいている。しかし、予定どおりに出来るのかは微妙になってきている。さらに教育実習の対応に当事者も含めて養成側と受け入れる学校側との調整が切迫してきている。
文科省からの行政文書は、読まなくとも理解できるほどの内容であった。確かに質保証からすると基準を緩められないのも分かるが、学校がすべての実習を秋に回し、さらに感染が続いた場合は、またそのとき考えるという回答と感じられた。
実習が大切ならば採用後の条件付きの期間に不適と判断したら解雇できる制度を実用化したらどうだろうか。採用後の不適応な新採用が多くとも「困ったな。採用取り消ししたいな」と思えば解雇できる。
ある意味掌を返すような新採もいる為に条件付きとしているのだから、条件に合わない者の顔色をみたり温情を掛けたりする必要は全くないのである。その英断をする校長を行政はしっかり支えないから、不適な新採が温存してしているのではないのか。
実習は、何のために行うのかと、今一度文科省も養成側も学校側も考え英断する時が来ている。くれぐれもたらい回しにして教師を目指す若者の力が発揮できないような事のないよう願いたい。世界基準でもトップクラスの成績を示す我が国ならば、見事と言われる判断を今こそ期待したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)