大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第61回】
NEWS今だから出来るシリーズ(7)
同じ年代の子どもが通う学校ではあるが、小学校と特別支援学校の違いは様々ある。特別支援学校では、小学校よりも教員配置は手厚い。特別支援学校の中でも身体的な課題がある児童、知的・情緒との重複障害を持つ児童とでは、接し方は大きく異なる。コロナ問題が深刻化する中、特別支援学校の教師の心身の健康と専門性の確保は必須となる。
特別支援学校は、バスでの送迎があり、市町村を越えて広範囲に児童・生徒の家があるため、家庭訪問も出来ないだろう。その意味では、特別支援学校の職員がこの時に出来ることは何かが一番に問われる気がしてならない。
そこで、提案したいのはスキルアップである。概して特別支援学校の職員のスキルはかなりの差がある。特別支援教育の専門免許を持たなくとも務まるとされているからだ。よって、専門知識の格差はどの校種よりも大きい。そこを埋めないままで許されていることはないかと今こそ厳しく問いたい。
何故なら、特別支援教育の分野の方でなるほどと言わせるレベルの講師にあったことが極めて稀だからである。受け売りや自分でも納得していなくとも専門用語で誤魔化すのは、児童にも失礼である。
友人の元校長は、肢体不自由の子どもへの教育に詳しい専門家であった。彼は一切分かった振りはしなかった。今も相談できる一人である。こうした素地を今こそ作れる時である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)