大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第59回】
NEWS今だから出来るシリーズ(5)
通学路の瑕疵が見落とされている事は多い。高齢化と独居が進みやがて新築の家が空き家に様変りする。日常、教師は学区を回ることは難しい。「先生達は、子どもが居なくて何をしてるの?」と言う疑問が聞かれるようになってきた。
だからやるというわけではないが、通学路の瑕疵を見過ごして子どもが事件や事故にあった場合は学校や教委の責任が問われる事になる。そこが海外とは大きく異なる。
溜め池を囲う網が破損していて、「危ないけど、さほど大きくもないし…」と考えて通り過ぎたとする。その後、網をねじあけて遊んでいるうちに、溜め池の底にと言う事故はよくある。防げた事故である。
また、春は気にならなくとも夏秋を過ぎて背丈を越える草むらになる事もあり、犯罪の誘因にもなる場所もある。交通事故は勿論、危険を探る絶好の機会である。それを教材にして行政や地域を巻き込んで子ども達の学習成果にも繋げる事も出来る。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)