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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第48回】

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「しっかり」という言葉

 「しっかり」と、と答弁の中で何度も何度も繰り返す話し方は耳障りに感じる。特に議員達の話の中に、この「しっかり」は連発される。
 ある意味当然の事をやるわけなので、気合いを感じさせる程度ならよいが、何度も使うと聴く側の新鮮さも薄れ、しっかり出来ていない、やれないかもしれないと聞こえてしまう。出来なくとも平然と振る舞い、「ちゃっかり」してはいないか。

 この「しっかり」という言葉を教師や行政が同じように使ったならば追及が来るだろう。「しっかりとはどういう事か?」である。普段から「しっかり」やっていたら、強調せずともすべき事を誠実にやり遂げ、それで言い訳である。
 僅かでも他からしてもらった恩は忘れずに、自らの進退を掛けてやったことは過去の事として忘れる位がちょうどいい。

 「しっかり」とは、口にせずとも自らの心に誓うことであり、パフォーマンスでなく自己の決意であり、行動でなくてはならない。
 こうした言葉遣いや心遣いは、小学校段階で教える内容である。英語教育もグローバル教育も先ずは、正しい日本語が基盤になる。
 心を適切な言葉で伝えることは難しい。ましてやウイルス対策で距離を取るのだから、伝える言葉と表情が重要になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」