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生徒指導~小学校段階での考え方~【第181回】

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同苦の心を感じられぬ人

 幸か不幸か、いじめ防止対策推進法の要因となった地域の長や、生徒指導の大家と懇談をする機会を得た。期待とは大きく異なった印象を受けた。その役に、その役らしい人を用いるが、ふさわしい人物とは思えない時の落胆は計り知れない。調整が上手く、何処からも非難されない話し方が出来て、穏やかで、所謂キャリアらしい人であった。

 ではキャリアとは何の為に存在し、スキルを磨き高めるのか。ある位置を必死に確保して、後ろには次々に同じようなキャリアが繋がっているように見える。
 学会は徒党を組む集団のようにも見える。学会での活動を現場の実践よりも評価する愚の骨頂がやまない。苦しむ子どもや親や教師へ、うわべでの同情はしても、同苦をしようとする心が感じられない。

 日本人の思考を象徴した「失敗の本質」という本があるが、その内容が見事に重なって見える。議論してもそれぞれの我田引水にされてしまう。何の為に、誰の為に、それを成そうとしているのか。
 名声と財を得るために教育を利用してはならない。ましてや、「自己の生き方を掛けて行う生徒指導」を利用してはならない。お二人に手紙を書いた。ご意見ごもっともと丁寧な返信の手紙が届いた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~