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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第42回】

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「グローバル」を学ぶ

 WHOのパンデミック宣言により、入出国制限などの判断や公表が矢継ぎ早に行われた。それぞれの国の歴史や価値観そして体制、はたまた相互の関係性の違いがはっきり分かる段階になってきている。
 一見するとお国事情により、バラバラに判断しているようにも見えるが、一歩踏み込んで見ると、そこにはある程度の基準が見えてくる。この見方こそがグローバル教育の視点である。
 決めつけるのではなく、考えを整理したり、多様性や多文化を尊重しつつ、俯瞰または達観し、自らの見方や考え方を整理したりすることが求められる時代になっている。

 この見方を世界に先駆し、体系化して識者や学校教材として高く評価されているのが、渥美育子氏の「地球村」というグローバル教育の視座である。
 倫理や道徳をベースに置きつつ、相互を尊重し、50対50として捉え、共存共栄を図るものであり、蔓延する分断のエネルギーを終息させ、地球市民として生きる学びを具体化している。それは四千年の歴史軸と宇宙から地球を捉えて飛び回る空間軸と、地理や歴史そして宗教や国民性に根差す価値軸の三つの軸で捉える学び方である。

 この有益生は何と言っても分かりやすさにある。そしてそれは一応の見方であり、それを足掛かりにしてクリティカルシンキングをして、ある意味意図的に疑い、深く考えていく探究的な学びの入口として最適な教材として推奨したい。
 さらに自分のグローバル度はどの程度であるのか、そして何が不足しているか、課題は何なのかと判定診断する簡易なWebシステムの構築が出来つつあるから待ち遠しい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)