日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第175回】

NEWS

教科・指導

「オウム」から25年

 「排除する」という思想が多くの命を奪ったオウム真理教の非道極まりない地下鉄サリン事件から25年が過ぎた。世界を震撼させた狂人達の無差別事件を忘れてはならない。信者は教員の中にも存在していた。
 家族の制止を振り切って出家して連絡が取れなくなっているという話も聞いた。こうした宗教や思想をリーダーが都合よく利用して、個々の幸を祈り願うものを真逆の殺戮へと繋げる恐ろしさが人類の歴史には登場する。

 学生の頃に富士五湖をベースに体力づくりをしていた。その近くの村にオウムは建物を作り、活動を広げ、サリンをつくり、殺人も行っていた。
 違和感を持っていた住民の知らせがあったのに捜査へは進まなかった。紙幣のデザインとなった場所も殺害関連の地となり、美しい村の名前さえも消え去ってしまった。

 何でも言うことをきくと支持している方は気持ちがいいが、受け入れない、反発すると腹が立ち憎たらしく思えてしまう事がよくあった。思う通りにしたいのが素直な本性なのだ。
 反面、何でも妥協してポストをねらう癖をつけている人もいる。こうした学びを義務教育段階から徹底してやっていたら、感情のコントロールも出来るようになるし、人の世の生き方もバランスよく出来るはずである。
 要は本気で議論する事がないのだ。手法の域から感情の域にまで踏み込んだ学びが必要なのである。授業も練習や訓練でなく真剣な実践と議論をしていれば、「対立から共存へ」の大切さは自ずと身に付くはずである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~