大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第40回】
NEWS教職員人事の新聞発表とは
人事異動の新聞発表があった。それをもって公式発表と信じている者がいる。ある市教委の部長もそうだった。あまりの驚きに、すみませんが根拠は?と質問をした。何を今さらと立腹して「昔から、そうでしょ」と、吐き捨てられた。このレベルでは教育行政の専門家とは言えない。
人事は、辞令を拠り所にするのだから、日付が3月31日ならばその日に効力が発せられ、本人に到達し読み上げる事を基本にしている。よってそれ以前の新聞発表はあくまでも住民へのサービスであって、変更は起きるし、間違いや抜けもある。辞令を受けても3月31日の午前零時まで動くのである。
忘れられない事態がある。業者からのマージンを執拗に要求していた教委経験のある校長が、31日に定年を迎えるその夜の23時に逮捕された。退職金などすべてを失ったのである。
4月1日も当日の午前零時まで動く。この手法で当日付で様々な部署や職名も異動させる事も可能となる。人事異動は玉突きが多いため、一人が動くと多くの人が動くものである。人の噂よりは少しましなのが新聞発表なのであり、法的にも何ら規定は存在しない。
この程度の事は人事担当なら基礎知識として知っておきたい。それにしても指導力が求められる困難校に指導課長経験者などが率先して赴任しないで、中心校や伝統校校長になるお決まり人事を変えない限り、如何に饒舌に振る舞おうとも説得力は皆無である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)