生徒指導~小学校段階での考え方~【第174回】
NEWS自己管理の力、依存傾向が定着する時期
心身の健康の堅持は、勝負をするには土台となる。この土台を何よりも意識し日々の生活をする必要がある。その基本は「朝に勝つ」から始まる。
朝が弱いと言い訳をすれば、表立って人は責めはしないが、特異な体調なのか、気持ちなのかと受け止める。しかし、言い訳には変わりはない。夜型とか夜更かしとか言うのも体裁を繕うもので、本質は言い訳に過ぎない。
俳優の優劣は才能よりも「体力」にあると、著名な映画監督から聴いた。自己管理の出来ない依存傾向の強い者は、他を犠牲にして生きる傾向がある。
この癖も殆んどが小学校迄に定着してしまう。記憶力や表現力そして運動神経に優れているとそこにばかり目が行き、前記のような人間の本質、骨格に指導が入りにくい。ここに指導を入れることが、その子の人生をも左右する事は何千の教え子の今を見るとはっきりする。
では、どう指導を入れるのか。それは「よく見ること」に尽きる。学校生活には何千何万という判断が存在する。判断して行動することとなる。
よって、行動の前に、または行動の中に本性が見え隠れする。そこを見逃さない事である。自分の心身に不安があると、見逃し判断もぶれる。採用面接を担当するときにも「自己管理」に力を入れなければならない。ベストな判断の出来るよう、「自己自身を人知れず鍛練する姿勢」が求められる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)