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生徒指導~小学校段階での考え方~【第173回】

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自分に勝つためには

 生徒指導とは自分自身に勝つことである。それなくしての指導は意味を持たない。自分自身に勝つためにその任を得ているととらえる中でしか成長しないと言うことである。
 外向きに体は繕えても、自分自身は誤魔化せない。ここへの勝負をしながら試行錯誤しつつ、その任を果たすのが生徒指導の醍醐味なのである。

 言い訳は他には出来るが、事実は己が知っている。そういう私も繕った事が何度もあった。その姑息さを未だに忘れない。
 具体的には身近な者への感謝が難しい。「おはようございます。今日も1日宜しくお願い致します」と、家族に言えているか、特に伴侶に丁寧に言うところから一切は始まる。それが仕事にも人間関係にも、はたまた体調をも見事によい方へと改善していく事になる。

 嘘だと思ったらやってみるといい。私はこれが出来ずに遠回りをした。人を指導するとは、自己が変わった結果として見えてくる姿であるから、自己の内から一切は始まる。こうした気付きと行動により得られた体験は、普遍の力となり、窮地の時や重要な判断の際に涌き出るように確実に発揮される事になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~