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生徒指導~小学校段階での考え方~【第171回】

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教科・指導

フォロワーシップを伸ばす大切さ

 生徒指導専任指導主事を置く市町村は少ない。ほとんどは、教科指導と兼務させている。もちろん都道府県単位になると生徒指導室として位置付けられている。よって、ここに集まる案件はとても多い。
 本来ならば、市町村でも人事管理、教科指導そして生徒指導が全体を俯瞰する位置に必要なのであるが、現場任せにされている。よって後手になる。

 生徒指導が人間関係の基盤であり、それなくして効果は出ない。事が起きてからの対応でなく、教育効果を最大限に発揮される素地を作る事を最優先にすべきである。生徒指導担当は、校長の側近として「異見」を提言し、行動すべき位置にいる。校長は孤独である。素地を青年期に意図的に身に付けるとすれば生徒指導が最適となる。

 勿論、結果は厳しく求められるが、学校組織マネジメントとして管理職へ堂々と進言する位置にいないと機能は発揮されないし、訓練にならない。
 これまで生徒指導をある意味軽視していた小学校に私は求めたい。この時期からチーム学校として教育目標以前にすべきは生徒指導の考え方、行動規範、そして人材の育成方法にかかっている。エリートではなく、フォロワーシップを意識する事である。そこから地に足のついた掛け値のない人材が浮き出てくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~