大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第37回】
NEWS立地条件に恵まれぬ場合の災害対策
勤務校の周りの川の水があふれ、周囲一面が海のようになったことがある。明け方に車で向かったが、水かさが増し、途中で車を降りて徒歩で学校へ向かった。
数名の職員と地域の方が来ていた。電気やガスが使えるうちに今後の事を考えて炊き出しをすること、さらに何人かで手分けをして学区を回る事が決まった。
嵐が収まり、今後の水量増が気になった。自転車で回るものの水面下が見えない。特に水路があったであろう位置は気を付けないとならない。
何人かの児童の家を訪ねた。状況は様々ではあったが、大事はなかった。地名には以前この地がどのような場所であったかを示す鍵がある。
学校は立地のよいところにあるとは限らない。やむなくかも知れないが、酷い所にある場合も少なくない。こうした多様な条件の中で、児童の安心安全をいかに確保するかは学校それぞれの判断になる。
呆然と指示を待ち、事務的に処理するようではならない。よって、最善の判断をすべく、日頃から徒歩で学区を回る習慣を身に付けておくのが貴重な判断材料として生きる事になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)