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生徒指導~小学校段階での考え方~【第162回】

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服装を見る大切さ

 あなたは普段子どものどこを見ているか。
 下校した後に児童が行方不明になる事がある。家庭の事情からどのような服装で登校したのかを把握していない事もある。顔や背格好は分かっても肝心の服装がはっきりしない。
 担任に聴いても曖昧、仲良しの友達に聴いてもバラバラで確証がない。捜索願いを出す間際、友達の部屋で眠り込んだ事が判明し安堵した。

 教師の日々の多忙さで、児童一人一人の服装を記憶するまでは至らない。しかし、その記憶が児童の生死を分けることにもなる。そう考えると教師を多忙にする事は、様々な負の要素を産み出すことになる。
 遅きに始まる教師の働き方改革により、様々な戸惑いが教育現場では起きている。ただし、時間があっても意識しない限り視野には入らない。

 お洒落をしているから、親の愛情はあると決めつけてはならない。それよりも清潔さがポイントになる。
 擦りきれた上履きでもきちんと持ち帰り、洗濯をしてきている児童を誉めることである。また、繕いをしてある服を大切に着ている事を丁寧に誉めることである。教師のこうした価値観がやがて浸透し、そうした大人を育てることになる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~