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生徒指導~小学校段階での考え方~【第158回】

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 生徒指導力は、実際に指導をしていない時に素地が育成されている。具体的には思索を重ねる時間を確保する事が大切である。その結果が話し方や文章力に現れる。
 私の知人に著名な植木雅俊博士という仏教思想研究家がいる。物理学が専門であるからか発想や表現が明解で、難解と思われる経典を現代語に解釈し、喩えも絶妙で、平易に伝える語彙の豊かさと心遣いに私は感服している。

 伊集院光氏が司会を務めるEテレ「100分de名著」にも登場されている。先日、直接お会いし、対談する機会を持つことができた。その表情や話の間の取り方に、難しいからこそ分かりやすく伝えたいという思いが根底にあることが真摯に伝わってきた。
 専門家だからこそ難しい事を簡単に説明すると言うのが私の持論だが、その筆頭と思えてならない。是非拝聴願いたい。

 生徒指導でも、相手に伝わるような配慮がこれまで以上に必要であり、的を射た喩え話には優しさや親しみが感じられるものである。
 今後、想定される生徒指導対応は、これまでにない複雑さや難解な事案が増える事になる。さらに過剰な権利主張も考えられる。
 これまでのような対症療法では限界に来ている。だからこそ思考する時間をしっかりと確保して、話し方や文章力をより一層磨きあげておく必要があると私は切に思う。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~